いい人をやめると、なぜか人間関係が楽になる話
「いい人でいなきゃ」と思いながら生きてきた人は、少なくないと思う。
誰にでも感じよく接して、頼まれたら断れなくて、場の空気を読みすぎて、気づいたらぐったりしている。心当たりがある人、いないだろうか。
不思議なのは、そうやって「いい人」を演じ続けているのに、なぜか人間関係がうまくいかない、疲れる、なんとなく孤独、という感覚が消えないことだ。
この記事では、「いい人をやめる」とはどういうことか、そしてそれがなぜ人間関係を楽にするのかを、一緒に考えていきたいと思う。
「いい人をやめる」ってどういうこと?
まず最初に言っておきたいのだけど、「いい人をやめる」というのは、「嫌な人になる」ことじゃないと思う。
意地悪をするとか、自分勝手に生きるとか、そういう話じゃない。
「いい人をやめる」というのは、自分を犠牲にして相手に合わせることをやめる、ということだと思う。本音を隠して愛想よくふるまうのをやめる、ということだ。言い換えると、「全員に好かれようとすることをやめる」と近いかもしれない。
これって、言葉にすると簡単そうに見えるけど、実際にはかなり勇気がいることだったりする。なぜなら、多くの人が「いい人でいること」を、長年の習慣や自己防衛として身につけてきているから。
いい人でいると、何が起きているのか
「いい人」を続けているとき、何が起きているかというと、自分のことを後回しにし続けているということだ。
相手が不快にならないように、嫌われないように、場が乱れないように。そういうことを優先しながら生きていると、自分が何を感じているのか、何をしたいのかが、だんだんわからなくなってくる。
そしてもうひとつ、しんどいことがある。「いい人」でいると、本音で関われる関係が作りにくくなるということだ。
表面上は仲良くしていても、「本当の自分を出したら嫌われるかもしれない」という不安がずっとある。だから関係が深まらない。なんとなく孤独な感覚が消えない。
SNSでも「いい人をやめたら人間関係が楽になった」という声はじわじわ広がっていて、「本音を出したらむしろ仲が深まった」「断ったら相手との関係が変わって気持ちが楽になった」そんな経験談を目にするたびに、いい人でいることのコストを感じている人が増えているんだなと思う。
こういう消耗を感じている人は、思っているより多いんじゃないかな。
① 本音を少しだけ出してみる
いきなり全部さらけ出す必要はない。ほんの少しでいい。
「実は最近ちょっと疲れていて」「それ、私は苦手かもしれない」そのくらいの小さな本音を、信頼できる人に出してみること。
やってみると気づくことがある。多くの場合、相手はびっくりするほどちゃんと受け取ってくれる。むしろ「そういうこと言ってくれてよかった」と関係が近くなることさえある。
「本音を出したら嫌われる」というのは、案外思い込みだったりするんですよね。
ずっと「いい人」を演じていると、相手もこちらに気を使いすぎてしまうことがある。少し本音が出ることで、お互いにリラックスできる関係になっていくことも多い。最初の一歩はこわいけど、出してみると意外と大丈夫だったりする。
② 「NO」を言える場面を一つ作る
断ることが苦手な人は、まず「今週一つだけ断ってみる」ところから始めてみてほしい。
全部断らなくていい。ただ、一つだけ「ちょっと難しいです」「今回は遠慮しておきます」と言ってみる。
断ることに慣れていない人は、断った後に罪悪感が来ることもあると思う。でもそれは、ずっと「断ってはいけない」と思ってきた反動みたいなもので、少しずつ薄れていくと思う。
断ることは、相手を拒絶することじゃない。自分の時間やエネルギーを、大切なことに使うための「選択」だと思う。
断ることのコツについてはこちらの記事でも詳しく書いているので、よかったら読んでみてね。→「断るのが苦手な人へ。罪悪感なく断る方法」
③ 全員に好かれようとするのをやめる
「全員に好かれなくていい」と頭ではわかっていても、いざとなると難しいんですよね。
でもこれ、本当に意識が変わるだけで、ぐっと楽になることがある。
精神科医のTomyさんはこんなことを言っている。
「みんなと仲良くしなきゃ」と思い込んでいる人ほど、人間関係でボロボロになりやすい。大切にしたい人は、実はそんなに多くなくていいんじゃないかな。
全員に好かれようとすると、自分のキャラクターがぼやけていく。誰に対しても当たり障りなく接しようとすると、結果として誰にも「この人だ」と思ってもらいにくくなる。逆説的だけど、少し個性が出る方が、刺さる人にはちゃんと刺さるものだと思う。
「この人には好かれなくてもいいかも」と思える人が一人でも出てくると、それだけで人間関係の重さがかなり変わってくる気がする。
④ 自分が心地よい関係を優先する
人間関係には「距離感」がある。
どんなに好きな人でも、近づきすぎるとしんどくなることはあるし、逆に少し距離があるくらいがちょうどいい関係もある。
Testosteroneさんはこんなことを言っている。
「心地よい距離感」を自分で設定することは、相手を大切にしないということじゃない。むしろその関係を長く続けるための知恵だと思う。
「この人といると少し疲れる」「この距離感だと話しやすい」そういう自分の感覚を、もう少し信じてあげていい。全員と同じ距離で接しようとしなくていいし、疲れる関係に無理に時間を使い続けなくていい。
「いい人」をやめると、こういう自分の感覚に気づきやすくなる。感覚を無視することをやめるから、だと思う。
まとめ
「いい人をやめる」ことは、冷たい人になることじゃない。自分を大切にしながら、本音で関われる関係を選んでいくことだと思う。
全員に好かれなくていい。本音を出せる関係を、少しずつ育てていく。そういう人間関係の方が、長い目で見ると絶対に豊かだと思う。
「いい人」でいることをやめたとき、本当に大切にしたい人との関係が、自然と残っていくんじゃないかな。
