褒められても素直に喜べない。それでいいって、私は思う
「ありがとうございます」って言えた。でも、心の中はちょっとザワザワしてた。
仕事がうまくいって、上司に「よくやってくれたね」と声をかけてもらったとき。友人に「あなたって本当に優しいよね」と言われたとき。嬉しいはずなのに、どこかしっくりこない。「いや、そんな大したことじゃないし」「たまたまうまくいっただけで…」と、せっかくの言葉をさらっと流してしまう。
そういう経験、ありませんか?
褒められても素直に喜べない。これ、地味にしんどいんですよね。だって、喜びたいのに喜べない。受け取りたいのに、受け取れない。自分でも「なんでだろう」と思う。
なぜ、褒め言葉が素直に入ってこないのか
いくつか理由があるんですが、一番大きいのは自己評価と他者評価のズレだと思います。
自分の中に「自分はこのくらいのもの」という基準がある。でも、相手からの評価がそれを上回ってくる。その差が大きければ大きいほど、「本当に私のことを褒めてるの?」「お世辞じゃないの?」と疑いたくなる。
自己評価が低いと、「褒められるほどの価値が自分にはない」と感じ、褒められたこと自体が不安やプレッシャーの原因になることも多いんです。嬉しいはずなのに、どこか怖い。それは、自分への評価が低いままだから。
もうひとつよくあるのが、完璧主義的な思考です。「もっとうまくできたはず」「まだまだ足りない」という気持ちが先に来て、他人の評価が「過剰なもの」に見えてしまう。
そして、もうひとつ見落とされがちな理由が文化的な背景。
日本には「謙遜の美学」があって、褒められると「謙虚にならなければ」と考え、素直に喜べないことがある。これは日本人が特に強く持っている思考だと言われています。「いやいや、そんなことないですよ」って言うのが、なんとなく正しい気がしてしまう。でも、それが習慣になりすぎると、自分の颁張りを自分でも否定し続けることになっていく。
受け取れないことで、起きていること
ここで少し視点を変えて考えてみたいんですが、褒め言葉を流すことには、実は相手へのダメージもあるんですよね。
褒めた側には「自分の言葉を否定された」「受け止めてもらえなかった」と感じさせてしまうことが多い。褒めた人は、勇気を出してその言葉を届けてくれてる。それを「そんなことないです」と即否定するのは、相手にとっては少し悲しいことでもあるんです。
それと、自分自身への影響も大きい。
褒め言葉を受け取れないということは、自分の颁張りを自分でも認められていないということでもある。他人が「よかった」と言ってくれているのに、自分だけ「いや、まだダメだ」と言い続ける。それって、じわじわとしんどいんですよね。
→ 人の言葉にいちいち傷ついてしまう感覚がある人は、こちらも合わせてどうぞ:人の言葉にいちいち傷ついてしまう人へ。流されない自分軸の作り方
「上手に受け取る」より「ちょっとだけ受け取る」練習
じゃあどうすればいいのか。「素直に喜べる人」に変わろう!…というのは、ちょっと難しい話だと思っています。
そうじゃなくて、ちょっとだけ受け取る練習から始めるほうが現実的。
① 「ありがとう」だけ言う
喜べなくても、否定しなくていい。「ありがとうございます」の一言だけ返す。それだけで十分です。気持ちが追いつかなくても、言葉は返せる。「嬉しい」と感じられなくても、「ありがとうございます」と言葉で返すだけで十分で、その一言が少しずつ自分の中を変えていく。
② 心の中でだけ、こっそり喜んでみる
外では謙遜しても、心の中では「そう言ってもらえたんだな」と受け取る。完全に喜べなくてもいい。「まあ、悪くはなかったのかも」くらいで十分。
③ 「事実」として受け止める
「本当にそうかどうか」はいったん置いておいて、「この人はそう感じた」という事実だけを受け取る。正しいかどうかの判断は後でいい。
→ 自分を少しずつ認める練習については、こちらの記事も参考になるよ:自分に自信が持てない人へ。小さな自信の育て方
喜べない自分を、責めなくていい
最後に、ひとつ。
褒められても素直に喜べないことを、自分のダメなところだと思わないでほしい。それは、あなたが真剣に物事に向き合ってきた証拠でもあるから。
褒められることが苦手なことは決して悪いことではない。ただ、少しずつ受け取れるようになると、自分への信頼が育っていく。
全部うまく受け取れなくていい。「ありがとう」のひと言から、始めてみよう。
参考:
- ディーキャリア:褒められても素直に喜べない
- ハッピーハートコンシャス:褒められても素直に喜べない。自己肯定感が低い理由と解決法
- All About:褒められても「私なんて」と素直に受け止められない
- NLPジャパン:褒められるのが苦手な人の心理
