残業帰りにコンビニでお菓子を買ってしまうのは、意志が弱いせいじゃなかった
残業帰りにコンビニでお菓子を買ってしまうのは、意志が弱いせいじゃなかった
残業を終えて会社を出る。ふらっとコンビニに入って、なんとなくお菓子を手に取る。ちょっと高めのアイスや、いつもは買わないお菓子の詰め合わせ。レジを出てから「あ、また買っちゃった」と気づく。
そんな経験、ないだろうか。
しかも、後で後悔するのに、次の残業の帰りもまた同じことをしてしまう。「自分は意志が弱いな」と思ってしまう人もいるかもしれない。
でも、それは違う。
なぜ疲れるとお金を使ってしまうのか
心理学に「自我消耗(ego depletion)」という概念がある。人間の意志力は筋肉と同じで、使えば使うほど消耗するという考え方だ。
仕事中、私たちは無数の判断をしている。メールの返信、会議での発言、上司や同僚との関係調整。そのひとつひとつが、少しずつ意志力を削っていく。そして残業でさらに消耗しきった状態でコンビニに入ると、脳は「楽な選択」を求めるようになる。それが「ちょっとだけ美味しいもの」だったりする。
国分寺イーストクリニックの解説によれば、衝動買いの背景には「嫌なことがあった時、買い物で気分を一時的に上げようとする」「低い自己評価から、自分にはこれくらい買う価値があると無意識に思いたい気持ちが働く」といった心理があるという。
つまり、コンビニでお菓子を買ってしまうのは、意志が弱いせいじゃない。疲れ果てた脳が、手っ取り早く気分を回復させようとしているだけなんですよね。
参考:衝動買いする心理(制御する方法)|国分寺イーストクリニック
「ちょっと高いやつ」に手が伸びる理由
さらに面倒なのが、疲れているときほど「いつもよりグレードの高いもの」を選びがちになることだ。
心理学の観点では、嫌なことがあったり不当な扱いをされたりすると、「自分を素晴らしくしたい」という欲求が強くなり、いつもよりランクの高いものを買ってしまいがちになるという。
普段は買わない高めのスイーツ、ちょっといいお酒。「今日は頑張ったから」という言葉が、無意識に背中を押す。
その気持ち自体は、ぜんぜん悪くない。問題は、それが毎週の習慣になって気づけば月に何千円も消えていることだ。
自分を責めるより、パターンに気づくことが先
大事なのは、「買わないようにする」ことじゃない。まず自分のパターンに気づくことだ。
残業の多い曜日はいつか。特に消耗する仕事はどんな種類か。コンビニに寄るのは帰り道のどのタイミングか。
こういうことを少し意識するだけで、「あ、今日はそのパターンだ」と気づける瞬間が増える。気づけると、自動的に動いていた行動に少しだけブレーキがかかる。
「やめる」のが目的じゃなくて、「選んでいる」感覚を取り戻すことが目的だ。
本当にご褒美にしたいなら、意識的に選ぶ
頑張った自分へのご褒美は、あっていい。
ただ、「なんとなく疲れてコンビニで買う」と「今日は本当に頑張ったから意識的にちょっといいものを選ぶ」は、見た目は同じでも全然違う。
前者は消耗した脳が自動的にやること。後者は自分が選んだこと。
その違いを意識できるようになると、後悔が減る。そして、本当に好きなものにお金を使えるようになっていく。
まとめ
残業帰りにコンビニでお菓子を買ってしまうのは、あなたが意志薄弱だからじゃない。ただ、脳が疲れていて、手っ取り早い回復方法を求めているだけだ。
自分を責めなくていい。まずパターンに気づくところから始めてみてほしい。
それだけで、少しずつ変わっていく。
